パピーリナックス4.3.1日本語版
リリースノート
パピーリナックス 431JP2012 がリリースされています(2012年3月)。
パピーリナックス 4.3.1日本語版(2009年12月リリース)は、4.30日本語版のバグ修正版です。
本家版 Puppy Linux 4.3.1をベースに、日本語版独自の修正も加わえています。
(4.3.1日本語版での修正)
パピーリナックス4.30日本語版は、本家版 Puppy Linux 4.30をベースにパピーリナックス日本語フォーラムメンバーにより日本語環境で使いやすいようアレンジしたものです。
多くのアプリケーションが日本語表示となっているほかに本家版との相違がありますのでご注意ください。
パピーリナックスはライブCD(のiso形式ファイル)で供給されており、このライブCDをパソコンに挿入して起動するとパピーリナックスが使えます。機種によって起動時に[Delete]キーあるいは[f・1]キー、[f・2]、[f・12]キーなどを押してBIOSを設定する必要のある場合があります。
お使いのパソコンの説明書を参照ください。
また パピーWikiの「パピー初心者入門」や、パピーリナックス日本語版サイトや パピーリナックス日本語フォーラムなどからも情報が得られるでしょう。
ライブCDの使い方についてはこちらの文書(README-ja.html)にも記載があります。
日本語版はデフォルトで日本語ロケール(ja_JP.UTF-8)、タイムゾーンは日本標準時に設定されています。 必要ならばデスクトップ上の設定アイコンをクリックして再設定してください。 ロケールを日本語以外にすると、メニューやアイコン、アプリの表示はすべて英語になります。
(ウェブの閲覧などで日本語を読むことはできます。en_US.UTF-8 の設定では日本語入力も可能)
カーネル違いについて
パピーリナックス4.3.1日本語版には、カーネルバージョンのバージョンが異なる3種があります。
最新カーネルでは不具合がある場合、別のものも試してください。
- pup-431JP - 最新カーネルバージョン 2.6.30.5、SMP(マルチCPU)対応
- pup-431stdJP - 4.20と同じカーネルバージョン 2.6.25.16
- pup-431retroJP - 4.20retroと同じカーネルバージョン 2.6.21.7、SCSI対応
ダウンロード
パピーリナックス日本語版は、以下のサイトからダウンロードできます。
pup-431JP - 最新カーネルバージョン 2.6.30.5、SMP(マルチCPU対応)
ISO: http://openlab.jp/puppylinux/download/pup-431JP.iso (119MB)
md5sum: pup-431JP.iso.md5.txt
pup-431stdJP - 4.20と同じカーネルバージョン 2.6.25.16
ISO: http://openlab.jp/puppylinux/download/pup-431stdJP.iso (118MB)
md5sum: pup-431stdJP.iso.md5.txt
pup-431retroJP - 4.20retroと同じカーネルバージョン 2.6.21.7、SCSI対応
ISO: http://openlab.jp/puppylinux/download/pup-431retroJP.iso (117MB)
md5sum: pup-431retroJP.iso.md5.txt
本家版との相違
- 日本語ロケールは ja_JP.UTF-8 となります。本家版では ja_JP.utf8
- メインSFSファイル、追加SFSファイルの読み込み規則が本家と若干異なっています。
- 本家版ではメインSFSファイルは pup-431.sfs というファイル名しか許されていません。
日本語版では pup-431JPalpha.sfsなど、「431」の後に文字列を追加することで、カスタマイズされたSFSファイルを扱います。
- PC内に複数のメインSFSファイルが存在する場合に、どのSFSファイルが採用されるか、日本語版と本家版とでは異なる場合があります。
- 個人保存ファイル pupsave.2fsをたとえば /mnt/home/puppyなどのサブディレクトリに保存した場合、追加SFSファイルは日本語版の場合 /mnt/home あるいは /mnt/home/puppyのどちらからでも読み込みます。
本家版では /mnt/homeにあるものだけが有効です。
4.3.1日本語版での追加
- 追加SFSのマウント順が、bootmanagerで指定したとおりになる。(これまで、bootmanagerで説明のある優先順位は、じっさいには無視されてました)
- /mnt/home/puppyなどのサブディレクトリに保存した追加SFSファイルを読まないという4.30日本語版のバグ解消
- メインSFSと追加SFSに同じファイルがあった場合、メインSFSよりも追加SFSが優先する。すなわちpetでインストールしたのと同等。(これまで、メインSFSのファイルはpetでは上書きされるが、追加SFSでは上書きされない)
- 日本語版でメニューには現れないアプリがあります。(実行ファイルはありますが、メニューには表示していないアプリ)
- superscan, alsamixer(4.3.1JPでメニューに復活), xcalc はコマンドプロンプトから、あるいは gexecからのみ実行可能です。
- SQLight ManagerはSeamonkeyのメニューバーの「ツール」から使えます。
- 日本語版だけの追加ソフト
- pupsaveconfig 1.6 : 初回シャットダウン時の個人保存ファイル設定のGUI
- Grub4Dos 0.4.4.v1 : ntfs対応のブートローダー、GUIによる自動設定付き
- Winfonts 3.3 : Windowsがインストールされているときに、そのフォントと仮想メモリをパピーでも流用
- acpid-1.0.8-5 : 電源ボタンによるシャットダウン、ノートブックPCなどの蓋を閉めることでサスペンド
- xev : マウスやキーなどのイベント、キーシムとキーコードなどを調べる
- lha : 日本で普及している圧縮フォーマットlzhの圧縮/解凍
- deb2tgz, rpm2tgz : Debian系/RedHat系パッケージの変換
註:パピー4.3ではDebian系パッケージ(.deb)は変換しなくても直接インストールすることができます。
また、.deb/.rpmとも、デスクトップの「圧縮/解凍」へドラッグ・ドロップすれば展開できます。
- ドライブ認識の改善
複数のHDDを装着している場合やUSBメモリ/HDDから起動した場合に、一部のドライブが初期に認識されない問題が本家版には存在します。
日本語版ではこの問題に改善を加えています。
4.3.1日本語版での修正
本家版(オリジナル)のリリースノートに記されているバグ修正のほかに、日本語版独自の修正があります。
- 追加SFSのマウント順(既出)
- フラッシュメモリでの運用でメインSFSをRAM上にそっくりコピーしていたものを廃止
- Abiwordのバージョンアップ(2.7.8-p4jp)「フォーマット>スタイルの作成と修正」が落ちる問題の解消、カットアンドペーストした日本語が文字化けする問題の修正。
abiwordを端末から起動する場合は 'abiword.sh'を起動してください。
英語辞書は同梱していません。必要であればPuppyパッケージマネージャから「abiword」で検索し、abiword-dictionary-en-2.6.3 をインストールしてください。
- デスクトップ上の「圧縮/解凍」アイコンが(日本語版で)動作しなかったバグの修正
- pdf-writerが(日本語版で)動作しなかったバグの修正。
- Puppyパッケージマネージャで、インストール後にメニューが更新されなかったものの修正
- xorgwizardに複数スクリーンのサポート、Synapticsドライバ(タッチパッド)でのタッピング有効に
- USキーボードで「`」(grave asciitilde)がX上で入力できなかったものの修正
- 個人保存ファイルに/var/run以下のpidファイルが残ることがあったものの修正
- フラッシュメモリから起動した環境での空き容量表示とエラーメッセージの改善
- seamonkeyのSidebarが日本語ロケールで使えなかったものの修正
- JWMのトレイをカスタマイズしたのちに、メニューから「JWMをリスタート」を実行するとトレイが初期状態に戻ってしまう問題の修正
- 'en_US'などUTF-8でないロケールでは scimを起動しないようにした。
- Partviewを日本語版独自のもの(国際化と表示の改善)に差し替え
- 日本語helpからアプリ情報の検索
- Rxvt-unicodeのバージョンアップ(v9.06)と、起動時間の短縮、背景色の変更、透過背景
- Openssh(クライエント)のバージョンアップ(4.7p1→5.1p1)
- gadmin-rsyncのバージョンアップ(0.0.9→0.1.4)旧ではsegfaultしていた
- Grub4Dos(config)のバージョンアップ(0.4.4.v1.4.1) ext4サポート、起動時5秒の余分な待ち時間をスキップ
- PupSaveConfig(v1.6.2)ユーザーインターフェースの改善
- Acpid(1.0.8-6)電源ボタンを押してからシャットダウンまでの待ち時間を30秒に延長
- Winfontsのバージョンアップ(v3.4)フォントキャッシュが更新されないことがあったのを改善
- AlsaMixerをメニューに復活
- ユニバーサルインストーラが作るブートオプションから「nosmp」を削除
- シンプルリマスタ:Jolietオプション、CDボリュームID、SFSファイルのパーミッションを(可能ならば)644に
- ライブCDに同梱のドキュメントを刷新
- デフォルトの壁紙を4.3.1バージョンに差し替え
- フルインストールで壁紙が設定されず、メニューが英語になっていたものを修正
- yaf-splash, dialogをUTF-8対応のものに差し替え
- アプリケーション日本語化の追加/更新(alsaconf, asunder, autoconnect, bootflash, bootmanager, burncd2iso,
chooselocale, countrywizard, firewallinstall, floppy-format.sh, fullerscreen, gfnrename, gftp, glipper_shell, gnumeric, gparted, gpptp, grubconfig,
jwm, meeview, modemprobe, modemtest, NetworkWizard(old), pbackup, pcreatetorrent, pctorrent, PcurlFtp, pfilesearch, pmount, pmwget,
ppg-gui.sh, prename, ptimer, pup_event_frontend_d, pupdial, PuppyBrowser, ppupyinstaller, pupzip, Pwireless, pwsget,
Quisp, remasterpup2, run-pureftpd, save2flash, securetelnet, snapmergepuppy, ssh-gui, Trash, uget, xfprot, xft-xftdpi)
個人保存ファイルの設定
パピーを初めて終了する時には、あなたの個人的なファイル、データ、設定をどこに保存したいかを聞かれます。
日本語版では保存場所などを事前に設定できます。
最初にパピーを起動したら(個人保存ファイルをまだ作っていないならば)、個人保存ファイルの設定を行ってください。
メニュー > ユーティリティー > 個人保存ファイルの設定
を選択すると、保存場所などを聞かれます。
保存ファイルはこの時点で作られるのではなく、シャットダウンのさいの状態が保存されます。
CD/DVDなどへの保存
個人保存ファイルの設定(PupSaveConfig)では(マルチセッション)CD/DVDへの個人保存ファイルの保存、パーティションへの保存をサポートしていません。
英語版コンソールでこれらを行いたいときは次のようにしてください。
- メニュー >シャットダウン>コンピュータの電源を切る
- 「Skip」を押す
- コンソールで(英文の)ダイアログが出てくるので、保存先などを選択
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スワップ(仮想メモリ)の使用
実装メモリが少ない(とくに256MBとそれ以下)ときはスワップ領域を確保してください。
スワップ領域を用意するには、次の3つのうちいずれかの方法を(ひとつ以上)取ってください。
スワップの利用状況は端末から free コマンド、あるいは cat /proc/swaps で確認できます。
Grub4Dosを使ったインストール
日本語版独自のブートローダGrub4Dosによって、パピーのインストールが簡単になりました。
ユニバーサルインストーラを使わずに、次の手順に依ってください。
- ライブCDから起動できる場合は、これから起動する。
- 内蔵ハードディスクのいずれかのパーティション(ファイルシステムは ntfs/vfat/ext2/ext3のいずれでも可
。4.3.1日本語版ではext4も可、ただしstd/retroの付いたものはカーネルがext4をサポートしないため不可。)、あるいはUSBメモリのトップ階層に、(任意の名前でよいが)たとえばpuppyというフォルダ(ディレクトリ)を作る。
たとえば /mnt/sda1/puppy。Windowsからなら C:\puppy。
- 作ったフォルダ内にライブCDの中身をすべてコピー。
(Windows上でコピーを行うと、ファイル名が PUP_430J.SFS, ZP430305.SFS などと大文字かつ'-'(ハイフン)→'_'(アンダーバー)に代わったりなど、異なることがあります。
この場合、大文字小文字を含め正しく書き直す→ pup-430JP.sfs, zp430305.sfs など。VMLINUZと INITRD.GZも vmlinuz, initrd.gz と書き換える。
他のファイルはそのままでもよい。あるいはむしろ7-zipなどisoファイルを展開できるソフトを使用してください。)
- メニュー>システム>Grub4Dosブートローダの設定 を実行、すべてに「OK」
- CDを抜いて、内蔵HDDから起動してください。失敗するようならライブCDでふたたび起動して手順をチェックしてください。
バグ報告
日本語版のバグやトラブルはパピーリナックス日本語フォーラムに報告願います。
本家版とは上記のほかにもスクリプトやアプリの多くが改変されています。
本家フォーラムに報告する場合は、必ずオリジナルの本家版で確認のうえで行ってください。
2009年10月 (同年12月:4.3.1日本語版リリースにさいし一部追記)
パピーリナックス日本語版開発チーム