1. はじめに
1.1 このバージョンのSKKについて
Daredevil SKK (以下、このマニュアルにおいて `DDSKK' と呼びます。)は、
動作が早くて効率的な日本語入力環境を提供するソフトウェアです。
GNU General Public License に基づいて配布されているフリー・ソフトウェアです。
DDSKK 16.1
が動作すると思われる Emacsen のバージョンは、次のと
おりです。
- GNU Emacs 22.1 以降 (推奨)
- GNU Emacs 23.1 以降 (推奨)
- GNU Emacs 24.1 以降 (推奨)
- Mule 機能付きでコンパイルされた XEmacs 21.4 の最新版
- Mule 機能付きでコンパイルされた XEmacs 21.5 の最新版
XEmacs に関しては、XEmacs 本体とは別に配布されているパッケージ群は最新版が要
求されます。少なくとも xemacs-base パッケージが最新であることに加えて、fsf-compat パ
ッケージが必須です。
総論として、現在は XEmacs よりも GNU Emacs での動作がよくテストされてお
り、最近では XEmacs でのテストは充分行われていません。
GNU Emacs 22 以上での利用が最も推奨されます。
現時点で Emacs のバージョンごとに少なくとも以下の制限があります。
- GNU Emacs 20.x
-
DDSKK 14.2 以降は GNU Emacs 20 はサポート対象外です。
GNU Emacs 20 のユーザは DDSKK 14.1 をお使いください。
- GNU Emacs 21.4
-
DDSKK 15.1 以降は GNU Emacs 21 はサポート対象外です。
GNU Emacs 21 のユーザは DDSKK 14.4 をお使いください。
- GNU Emacs 22.3
-
- JIS X 0213 対応には Mule-UCS の導入が必要です。
- X Window System 上でのメニューバーの日本語表示は GTK 対応版のみです。
- GNU Emacs 23.3
-
- X Window System 上でのメニューバーの日本語表示は GTK 対応版のみです。
- MELPA を利用してインストールするには、先に `package.el' をインストールする必要があります。
- GNU Emacs 24.3
-
GNU Emacs 24.3 と DDSKK 14 の組み合わせで isearch 使用時の不具合が発見されています。
GNU Emacs 24.3 のユーザは DDSKK 15 をお使いください。
http://mail.ring.gr.jp/skk/201211/msg00000.html
http://mail.ring.gr.jp/skk/201212/msg00000.html
- GNU Emacs 24.4
-
- coding tag を明示していないファイルは utf-8 と取り扱われます(1)。DDSKK 15.2 で対策済みです。
- NTEmacs は 24.3 と比べてディレクトリ構成が異なります(2)。DDSKK 15.2 で対策済みです。
- XEmacs 21.4
-
- `skk-kcode.el' の機能を含む JIS X 0213 対応が機能しません。
- インライン候補表示は機能しません。
- 動的補完における複数候補表示は機能しません。
- ツールティップ表示が機能しません。
- 日本語メニュー表示は X リソースによる方法のみテストされています。
- GNU Emacs 標準添付辞書 ja-dic は利用できません。
- XEmacs 21.5 (beta)
-
- `skk-kcode.el' の機能を含む JIS X 0213 対応が機能しません。
- インライン候補表示は機能しません。
- 動的補完における複数候補表示は機能しません。
- 日本語メニュー表示は X リソースによる方法のみテストされています。
- GNU Emacs 標準添付辞書 ja-dic は利用できません。
1.2 SKKとはなにか
SKK は、かな漢字変換プログラムです。
Simple Kana to Kanji conversion program にちなんで名付けられ、その名
は Combinatory Logic での有名な等式 `SKK = I' にも由来していま
す (3)。
Daredevil SKK (DDSKK) は、 SKK の更なる拡張版です (4)。
ただし、`SKK モード'、`SKK 辞書'、`SKK サーバ' といった歴
史的な用語は引き続き使用しており、DDSKK と呼ばない場合もあります。また、
SKK 方式の入力方法を採用したプログラムなど、広く SKK family を意味する場
合も同様です。
DDSKK の主な特徴は、次のとおりです。
- 多彩な入力方式をサポート。ローマ/かな 両対応のかな入力のほか、AZIK、ACT、TUT-code の各方式による入力も可能。
- 文法的知識を用いない高速な「かな → 漢字」変換。
- シームレスかつ再帰的な単語登録モード。
- 確定語を個人辞書へ自動登録することによって、変換候補を効率的に表示する。
- マイナーモードとして実装されているので、メジャーモードにほとんど影響を与えない。つまり、Emacs との親和性が高い。
- DDSKK 本体 (Emacs Lisp) と辞書ファイルのみで動作可能。つまり、辞書サーバは必須ではなく、辞書サーバがダウンしていても使用できる。
- 辞書サーバを使うことで、使用メモリの削減が可能。
- ディスク容量に応じて選べる辞書ファイル。
- Emacs のオリジナル操作と同様に行える日本語インクリメンタル・サーチ。
- Emacs Lisp で書かれたプログラムが返す値を変換候補に挙げることができる。
- 入力モードの自動切り替え `context-skk.el'
- 多彩なアノテーション表示 (ユーザ・アノテーション、EPWING 辞書、Apple OS X 辞書、Wikipedia/Wiktionary)
- 見出し語の動的補完
- 総画数変換、部首変換、文字コード入力
This document was generated
by Tetsuo TSUKAMOTO on November, 2 2024
using texi2html